書類作成より大変な「集める・確認する・更新する」をBPOする
「安全書類を作ってください」
この仕事を文字だけで見ると、
Excelに必要事項を入力して、書類を完成させる仕事のように見えます。
でも本当に大変なのは、そこなのでしょうか。
未来来来株式会社は、企業のバックオフィス業務を外部から支援するBPO会社です。
建設会社の事務について調べ、実際にグリーンサイトなどの業務をBPOとして考えていく中で、私たちが重要だと考えるようになったのは、
安全書類は「作る仕事」というより、「情報を集め続ける仕事」ではないか
ということです。
そもそも「安全書類」は一枚の書類ではない
一般に建設業で「安全書類」「グリーンファイル」と呼ばれているものは、一枚の書類を指しているわけではありません。
例えば国土交通省は、施工体制台帳に関連する作成例として、
施工体制台帳。
施工体系図。
再下請負通知書。
作業員名簿。
などを公開しています。
そして重要なのは、
国土交通省が公開している様式そのものを必ず使わなければならないわけではない
という点です。
法令上必要な記載事項が網羅されていれば、別の様式も使用できます。
さらに国土交通省自身が、
発注者から法令上必要な項目以外についても記載・作成を求められる場合がある
と説明しています。
つまり現場では、
「この書式を一回覚えれば終わり」ではない
ということです。
安全書類が面倒になる理由は「入力」だけではない
例えば作業員名簿を作るとします。
完成した書類だけを見ると、一枚の表です。
でも、その表のセルを埋めるためには情報が必要です。
誰が現場に入るのか。
どの会社に所属しているのか。
職種は何か。
資格は何を持っているのか。
社会保険等の情報はどうなっているのか。
必要な情報が揃っていなければ、書類は完成しません。
さらに施工体制に変更があれば、情報も変わります。
国土交通省の施工体制台帳に関する通知でも、一度提出した再下請負通知書の記載事項や添付書類に変更が生じた場合には、変更内容を反映した通知が必要とされています。
つまり安全書類は、
「一回作って保存しておけば終わり」ではない仕事
なのです。
安全書類作成代行を調べると、ある共通点が見えてきた
今回、実際に安全書類作成代行を提供している複数のサービスも調査しました。
すると、単純なExcel作成だけを提供しているわけではありませんでした。
例えば、
会社情報・作業員情報・車両情報の登録。
許可証等の更新管理。
不足資料の案内。
協力会社からの情報収集。
元請指定フォーマットへの転記。
グリーンサイトへの登録。
Buildeeへの登録。
Greenfile.workへの登録。
紙の安全書類への対応。
差し戻しへの対応。
といった業務まで提供している事業者があります。
ここから分かるのは、
市場が求めているのは「書類を書く人」だけではない
ということです。
安全書類を成立させるための、
情報収集から提出までの運用
そのものに需要があります。
「安全書類を外注したのに楽にならない」は起こり得る
ここはBPO会社として特に重要だと考えています。
例えば、
「作業員名簿を作ってください」
と外注したとします。
すると外注先から、
「この方の情報がありません」
「資格証を送ってください」
「この項目はどうしますか」
「この会社の情報が不足しています」
と質問が戻ってくる。
社内担当者が確認する。
職人さんへ聞く。
協力会社へ連絡する。
返事を待つ。
外注先へ送る。
今度は別の情報が足りない。
また連絡する。
これでは、
入力作業は外注できても、管理業務は社内に残ったまま
です。
未来来来株式会社が考える安全書類BPOは、ここを問題として見ます。
本当に外へ出したいのは「Excel入力」なのか?
仮に安全書類作成に30分かかったとします。
でも、
必要情報を確認するのに20分。
協力会社へ連絡するのに10分。
返事がないので翌日もう一度連絡。
届いた資格証を保存。
情報を確認。
元請指定の形式へ合わせる。
提出。
差し戻されたら再確認。
という仕事が発生しているなら、
負担の中心は「30分の書類作成」だけではありません。
だから私たちは、
安全書類を「成果物」ではなく「業務フロー」として見る必要がある
と考えています。
未来来来株式会社なら、まず安全書類の仕事を分解する
私たちは安全書類の専門コンサルタントではありません。
施工上の安全判断を代行する会社でもありません。
私たちの専門はBPOです。
だから安全書類についても、
「何枚作りますか?」
から考えるのではなく、
仕事の流れから考えます。
例えば、
①必要な情報を決める
↓
②情報を集める
↓
③不足情報を確認する
↓
④書類・システムへ入力する
↓
⑤社内で判断が必要な部分を戻す
↓
⑥確認する
↓
⑦提出する
↓
⑧差し戻しに対応する
↓
⑨変更情報を更新する
という流れです。
この中のどこを社内に残し、
どこを外へ出すのかを考えます。
何でも外注できるわけではない
ここは非常に重要です。
安全書類という名前だからといって、
書類に関する仕事なら全部BPOへ出せる、
とは考えていません。
建設現場の安全衛生管理には、法律上、元方事業者、統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者、安全衛生責任者などが担うべき役割があります。
例えば厚生労働省は、元方安全衛生管理者の職務として、
作業間の連絡・調整。
作業場所の巡視。
安全衛生教育への指導・援助。
工程や設備配置等に関する計画。
その他の労働災害防止に必要な事項。
などを示しています。
こうした、
現場を見て判断すること。
安全について責任を持って判断すること。
法令上、特定の立場にある人が行うべきこと。
まで「事務だから」と外へ出す話ではありません。
私たちが切り分けたいのは、
判断そのもの
と、
判断するために必要な情報を整える作業
です。
例えば「作業員名簿を作る」を分解してみる
「作業員名簿を作成する」
という一つの仕事も、実際には分解できます。
誰を現場へ入れるのか決める。
これは会社側。
必要な情報を回収する。
これは仕組み化できるかもしれない。
受け取った情報を整理する。
BPOできる可能性がある。
決められたフォーマットへ入力する。
BPOできる可能性がある。
資格証等の不足を確認する。
ルールが明確なら補助できる可能性がある。
その人を実際に配置してよいか判断する。
これは単純な入力作業とは別です。
このように、
一つの「安全書類作成」という仕事の中にも、判断と作業が混在しています。
ここを分けることが重要です。
グリーンサイトがあれば、安全書類の問題は解決するのか
現在、安全書類の電子化もかなり進んでいます。
グリーンサイトは、施工体制台帳や労務安全書類をインターネット上で作成・提出・確認できるサービスです。
契約企業数は13万社以上とされています。
国土交通省も、施工体制台帳等についてCCUSを利用して作成できることや、CCUSの登録情報を利用して施工体制台帳等を作成できる民間システムがあることを案内しています。
これは非常に大きな効率化です。
ただし、
システムが情報を作ってくれるわけではありません。
登録する会社情報。
作業員情報。
資格情報。
施工体制。
変更情報。
元となる情報が正しくなければ、システムも正しく動きません。
つまり、
紙をクラウドに変えること
と、
バックオフィス業務そのものをなくすこと
は別です。
「安全書類担当者」を一人作れば解決するのか
安全書類が増えてくると、
「事務員を採用しよう」
となることがあります。
もちろん、それが適切な会社もあります。
しかし未来来来株式会社では、その前に考えます。
安全書類のためだけに、一人分の仕事量が本当にあるのか。
安全書類以外の建設事務と組み合わせるべきなのか。
繁忙期と閑散期で仕事量はどう変わるのか。
担当者が休んだら誰が対応するのか。
担当者が辞めたら、その運用は残るのか。
ここまで考えます。
一人の優秀な事務員へ全部任せれば、
一時的には非常に楽になります。
しかし、
その人しか分からない。
その人しかグリーンサイトを触れない。
その人しか元請ごとのルールを知らない。
となれば、
現場監督から事務員へ属人化を移しただけ
になってしまいます。
安全書類BPOで本当に残したいのは「書類」ではなく「やり方」
未来来来株式会社がBPOで重視しているのは、
作業を一回終わらせることだけではありません。
例えば、
A社の現場では、この書式。
B社では、このシステム。
この情報が不足していたら、この人へ確認。
この資格証はこの場所。
作業員が追加されたら、この手順。
差し戻された理由は、次回のチェック項目へ追加。
こうした情報を、
担当者の頭の中ではなく、
会社の運用として残していく。
これが重要だと考えています。
安全書類代行を選ぶとき、「何を作れるか」だけでは足りない
安全書類作成代行を検討するなら、
「作業員名簿を作れますか?」
だけで比較しない方がいいと思います。
確認したいのは、
どの書類まで対応できるのか。
紙だけなのか。
グリーンサイト等にも対応するのか。
情報収集は誰がするのか。
不足情報を誰が追うのか。
変更時の更新はどうするのか。
差し戻された場合はどうするのか。
元請独自フォーマットへ対応できるのか。
誰が最終判断・確認をするのか。
個人情報やアカウント情報をどう扱うのか。
そして、
一回作って終わりなのか、運用そのものを任せられるのか。
ここまで確認した方が、実際の負担削減につながりやすいはずです。
安全書類を減らす動きも進んでいる
もう一つ、忘れてはいけないことがあります。
国土交通省は2026年度からの建設現場の働き方改革でも、
「書類の削減と簡素化の徹底」
を取組項目として掲げています。
これは重要です。
BPO会社だからといって、
存在する書類を全部外注してもらえばいい、
とは考えません。
不要な仕事なら、
外注する前になくした方がいい。
システムで自動化できるなら、自動化した方がいい。
一度登録した情報を再利用できるなら、再利用した方がいい。
それでも人が処理しなければならない仕事を、
誰が担うのか。
そこで初めてBPOを考えます。
安全書類を「書類作成」から「バックオフィス運用」へ
安全書類作成代行というと、
Excelを作ってくれるサービス。
グリーンサイトへ入力してくれるサービス。
というイメージになりがちです。
もちろん、それも必要です。
でも私たちは、もう少し広く考えています。
情報を集める。
不足を確認する。
入力する。
提出する。
差し戻しに対応する。
変更を反映する。
期限を管理する。
やり方を蓄積する。
ここまで含めて、
安全書類のバックオフィス
と考える。
そうすれば、
「書類を一枚作る時間を減らす」
だけではなく、
現場監督や経営者が、安全書類のことを頭の中に置いておく時間そのものを減らせる可能性があります。
現場の人に、現場の仕事をしてもらう
未来来来株式会社が建設業のBPOを考えるとき、最終的に戻ってくるのはここです。
安全書類は重要です。
正確な情報も必要です。
安全管理そのものを軽く考えることもできません。
だからこそ、
現場を見なければできない仕事。
技術者にしかできない判断。
責任者が行うべき確認。
そこに時間を使ってほしい。
そのために、
情報収集。
整理。
入力。
転記。
更新。
提出準備。
など、
現場にいなくてもできる仕事をどこまで外へ出せるか。
安全書類作成代行を、
単なる「書類を安く作ってくれるサービス」ではなく、
希少な現場人材の時間を取り戻すバックオフィス
として考える。
これが、BPO会社である未来来来株式会社から見た、安全書類作成代行です。
未来来来株式会社の安全書類BPOについて
未来来来株式会社は、施工上の安全判断や、法令上特定の立場・資格等が担うべき業務を代替する会社ではありません。
私たちが支援するのは、その周囲に存在するバックオフィス業務です。
現在行っている安全書類関連業務について、
社内に残すべき仕事
専門的な判断が必要な仕事
BPOへ切り出せる仕事
システムで削減できる仕事
を整理し、現場や経営者が本来の仕事へ集中できる運用を考えます。
「安全書類を一枚作ってほしい」だけでなく、
「安全書類に関する仕事そのものを整理したい」
というところからご相談いただけます。
監修:未来来来株式会社 Bpaas Bussen Ops事業部
最終更新:2026年9月29日



