施工管理の書類業務を現場から切り離す方法

朝から現場に出る。

職人さんと打ち合わせをする。

工程を確認する。

安全を確認する。

品質を見る。

協力会社や発注者と調整する。

そして現場が終わる。

でも、仕事は終わらない。

事務所へ戻ってパソコンを開く。

書類を作る。

写真を整理する。

システムへ入力する。

メールを返す。

翌日の準備をする。

もし、こうした働き方が日常になっているなら、

現場監督が足りないという問題だけではなく、現場監督の時間の使い方にも改善できる余地があるかもしれません。

未来来来株式会社は、企業のバックオフィス業務を支援するBPO会社です。

建設会社の施工判断そのものを代行する会社ではありません。

だからこの記事では「施工管理のやり方」を語るのではなく、

現場監督が抱えている仕事の中から、現場監督でなくてもできる仕事をどこまで切り離せるのか

を、BPO会社の立場から考えます。

現場監督の書類負担は、本当に大きいのか

まず、ここを感覚だけで書くのはやめました。

調べてみると、国土交通省と建設業界自身が問題として認識しています。

2026年度の「公共工事の諸課題に関する意見交換会」の資料では、

現場における時間外労働発生要因のうち、約3割が「書類作成」

とされています。

そのため、提出書類の削減・簡素化などが要望されています。

国土交通省も2026年度からの建設現場の働き方改革として、

「書類の削減と簡素化の徹底」

を具体的な取組項目にしています。

これは単に、

「現場監督が書類を作るのが面倒」

という話ではありません。

建設業全体の働き方改革の中で、書類業務そのものが改善対象になっています。

なぜ今、現場監督の事務作業を見直す必要があるのか

2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。

原則として時間外労働は月45時間、年360時間以内。

臨時的な特別の事情がある場合でも、年720時間などの上限があります。

もちろん災害時の復旧・復興事業などには一部例外があります。

つまり、

「仕事が多ければ残業すればいい」

という方法では対応できません。

一方で、工事そのものに必要な仕事をなくすこともできません。

だったら、

現場監督がやっている仕事の中身を見直す

必要があります。

国も「書類そのものを減らす」ことを始めている

ここは重要です。

BPO会社だからといって、

「書類仕事は全部うちへ外注してください」

と言うつもりはありません。

そもそも、なくせる書類ならなくした方がいいからです。

国土交通省の各地方整備局では、すでに工事書類のスリム化が進められています。

関東地方整備局では、

必要最小限への書類の簡素化。

受発注者間の役割分担の明確化。

書類の電子化。

遠隔臨場。

WEB会議。

などを進めています。

公共建築工事でも、書類の省略・簡素化が行われています。

つまり順番としては、

①なくせる仕事は、なくす。

その次です。

なくせない仕事は「誰がやるのか」を考える

書類を減らしても、当然ゼロにはなりません。

そこで未来来来株式会社では、BPO会社として次の問いを持ちます。

「残った仕事は、本当に現場監督本人が全部やる必要があるのか?」

です。

例えば建設現場では、

施工体制に関係する書類。

安全関係書類。

写真。

各種データ。

システムへの入力。

提出資料。

報告資料。

連絡。

など、施工そのもの以外にもさまざまな業務が発生します。

ただし、ここで注意が必要です。

書類だから誰でもできる、というわけではありません。

施工内容を理解して判断する仕事。

技術的な判断が必要な仕事。

責任者本人が確認すべき仕事。

現場を見なければ判断できない仕事。

こうした業務まで単純に外へ出すべきではありません。

一方で、

決められた情報を整理する。

受け取った情報を転記する。

データを入力する。

資料を所定の場所へ整理する。

写真データを整理する。

決められたフォーマットへ情報を入れる。

不足情報を確認して担当者へ戻す。

といった補助業務については、

現場監督本人でなければできないのか

を検討する余地があります。

実はすでに「現場と書類を分ける」という職域が生まれている

調査していて、未来来来株式会社として特に興味深かったのが、

「建設ディレクター」

という考え方です。

一般社団法人建設ディレクター協会では、

現場とオフィスをつなぎ、主に書類業務を連携することで、現場技術者の負担軽減を目指す職域として建設ディレクターを位置付けています。

施工体制台帳。

安全書類。

建退共関係。

道路使用許可。

産業廃棄物管理。

コリンズ。

打合せ簿ASP。

などが業務例として示されています。

国土交通省の「建設産業女性定着支援WEB」でも、建設ディレクターについて、

現場技術者の書類業務の負担を軽減し、コア業務へ集中できる環境をつくる取組として紹介されています。

つまり、

「現場監督から書類業務を切り離す」

という考え方そのものは、未来来来株式会社独自のものではありません。

すでに建設業界で始まっています。

では、未来来来株式会社が考えるBPOとの違いは何か

ここからが私たちの専門領域です。

建設ディレクターのような人材を社内に置ける会社なら、それも非常に良い方法だと思います。

しかし、中小企業では、

「そのためにもう一人採用する」

こと自体が難しい場合があります。

求人を出す。

応募を待つ。

面接する。

採用する。

教育する。

建設業務を覚えてもらう。

そして、その人が辞めればまた採用する。

だったら、

最初から会社の外側にバックオフィスを置く方法もある。

これがBPO会社である未来来来株式会社の立場です。

「現場監督1人+事務員1人」以外の組織を考えてみる

会社の仕事を、

「人」

ではなく、

「仕事」

から考えてみます。

例えば現場監督が一日に行っている仕事を書き出します。

その中には、

現場でなければできない仕事。

施工管理上の判断が必要な仕事。

社内でなければ扱えない仕事。

決められたルールで処理できる仕事。

オンラインでもできる仕事。

単純な入力や整理。

AIやシステムで減らせる仕事。

が混ざっているはずです。

それを一度分けます。

現場でなければできない仕事は、現場監督へ。

専門的な判断は、資格・経験を持つ人へ。

社内に残すべき仕事は、社内へ。

遠隔でもできる定型業務は、BPOへ。

機械で処理できるものは、AIやシステムへ。

こうすると、

「現場監督が足りないから、現場監督をもう一人採用する」

以外の選択肢が見えてきます。

高い専門性を持つ人を、入力作業に使っていないか

ここが、未来来来株式会社がBPOをやっていて一番気になるところです。

会社の中には、

その人にしかできない仕事を持っている人ほど忙しい

ということがあります。

経営者。

営業責任者。

医療従事者。

技術者。

そして現場監督。

こうした人たちは、判断や経験、人間関係など簡単には代替できない仕事を持っています。

ところが同じ人が、

入力。

転記。

整理。

資料準備。

定型的な連絡。

まで抱えている。

私たちはこれを見ると、

「人手不足」というより、希少な人材の時間を希少ではない仕事に使っている状態ではないか

と考えます。

これは建設業に限らず、私たちがBPOという仕事をする中で持つようになった視点です。

「外注できるか?」より先に、「本人でなければできないか?」

ここで、

「では現場監督の仕事を全部BPOへ」

とは考えません。

逆です。

まず現場監督の仕事を全部書き出す。

そして一つずつ、

これは現場監督本人でなければできないか?

と確認します。

本人でなければできない。

→残す。

専門家や有資格者が行うべき。

→適切な担当へ。

会社内部で扱うべき。

→社内へ。

ルールを決めれば他の人でもできる。

→BPO候補。

そもそも不要。

→やめる。

システムで処理できる。

→自動化する。

この順番です。

BPOありきではありません。

外注するときに最も危険なのは「丸投げ」

現場監督が忙しい。

だから、

「この書類全部お願いします」

と渡す。

これだけでは、うまくいかない可能性があります。

外部スタッフから、

「これはどうしますか?」

「この場合は?」

「この情報がありません」

と質問が戻ってくる。

結局、現場監督が毎回答える。

これでは事務作業が、

質問対応業務

に変わっただけです。

だからBPOでは、

何を受け取るのか。

誰が判断するのか。

どの状態なら処理できるのか。

不明点は誰へ戻すのか。

最終確認は誰がするのか。

を決めていく必要があります。

そして一度出た質問を、

次回も同じ質問として残さない。

ルールにする。

チェックリストにする。

マニュアルにする。

これが重要です。

「一人のスーパー事務員」に置き換えるだけでは意味がない

もう一つ、未来来来株式会社がBPOで重視していることがあります。

現場監督の仕事を減らすために、

何でもできる事務員を一人採用する。

確かに現場監督は楽になるかもしれません。

でも数年後、

その事務員が退職したらどうなるでしょうか。

「あの人しか分からない」

となれば、

属人化した場所が、

現場監督から事務員へ移動しただけ

です。

だから私たちは、

仕事を人へ渡すだけではなく、

仕事のやり方そのものを会社の資産として残す

ことが重要だと考えています。

手順。

判断基準。

ファイル。

テンプレート。

チェック項目。

過去の質問。

これらを蓄積して、

人が変わっても仕事が続く状態を作る。

ここに、単純な「事務代行」とBPOの違いがあります。

現場監督の残業を減らすなら、まず1週間だけ記録してみる

いきなりシステムを導入する必要はありません。

BPOを契約する必要もありません。

まず一週間、

現場監督が現場以外で何をしているのか

を書き出してみることをおすすめします。

例えば、

17:30 帰社
17:40 写真整理
18:10 安全書類確認
18:40 システム入力
19:10 メール対応
19:30 翌日の資料準備

というように記録します。

そして、

現場監督本人でなければできない仕事に印を付ける。

残った仕事を見る。

そこに、

削減。

簡素化。

社内移管。

BPO。

AI・システム。

という選択肢を当てていく。

すると、

「現場監督が足りない」

と思っていた問題の中に、

「現場監督でなくてもできる仕事が多すぎる」

という別の問題が隠れているかもしれません。

国が書類を減らす。会社は「誰がやるか」を変える。

国土交通省は現在、工事書類の簡素化や役割分担の明確化、電子化などを進めています。

これは非常に重要です。

不要な仕事は、まずなくす。

ただし、必要な仕事は残ります。

だったら会社側では、

残った仕事を誰がやるのか

まで考える。

現場監督。

社内事務。

建設ディレクター。

BPO。

AI・システム。

それぞれを組み合わせる。

未来来来株式会社は、この中で、

「現場にいなくてもできるバックオフィス業務を、会社の外側から支える」

という役割を担えると考えています。

現場監督を増やす前に、現場監督の仕事を減らす

人手不足になると、

「採用しなければ」

と考えます。

もちろん、本当に人が足りないなら採用は必要です。

でも、その前に一度だけ確認してみてください。

今いる現場監督は、本当に現場監督にしかできない仕事に時間を使えているでしょうか。

もし現場が終わった後、

毎日のようにパソコンへ向かって、

整理。

入力。

転記。

資料準備。

をしているのであれば、

採用以外にも改善できる場所があるかもしれません。

現場監督を、

現場へ戻す。

技術者を、

技術の仕事へ戻す。

そして、

誰でもできるように整理できる仕事は、別の場所へ移す。

現場監督をもう一人探す前に、今いる現場監督から「現場監督でなくてもできる仕事」を取り除く。

それが、BPO会社である未来来来株式会社から見た、建設業の人手不足対策の一つです。


未来来来株式会社の建設業BPOについて

未来来来株式会社では、企業のバックオフィス業務を外部から支援しています。

建設会社についても、

「何を外注するか」

から考えるのではなく、

まず現在の業務を整理し、

現場監督に残す仕事

社内で行う仕事

専門家・有資格者等が対応すべき仕事

BPOへ切り出せる仕事

AI・システムで削減できる仕事

を整理するところから考えます。

すべてを外へ出すことが正解ではありません。

現場を知っている人にしかできない仕事を守るために、

それ以外の仕事をどこまで減らせるか。

そこからご相談いただけます。

監修:未来来来株式会社 Bpaas Bussen Ops事業部
最終更新:2026年9月28日