インドネシア人技能実習生に関わる事業者をBPOで支援して、私たちが考えたこと
未来来来株式会社には、インドネシア人技能実習生に関わる事業を行っているクライアントがいます。
最初に書いておくと、私たちは外国人材紹介会社ではありません。
登録支援機関でもありません。
外国人雇用制度の専門家でもありません。
私たちがやっているのはBPOです。
つまり、会社の中にあるバックオフィス業務を外部から引き受ける仕事です。
だから外国人労働についても、人材会社とは少し違う場所から見ています。
そこで一つ、面白いことに気付きました。
日本は人手不足だから外国人材を増やそうとしている。
ところが、人が増えるほど、
その人たちを支える仕事も増える。
ということです。
「労働者を増やす」と「会社が楽になる」は同じではなかった
外国人材の受け入れをニュースで見ているだけなら、
人手不足
↓
外国人材を受け入れる
↓
働く人が増える
↓
人手不足が緩和する
と考えてしまいます。
私たちもBPOという仕事をしていなければ、そう考えていたかもしれません。
しかしバックオフィス側から会社を見ると、違う景色があります。
人が働くということは、その人だけが存在するわけではありません。
人の周囲には必ず、
情報があります。
書類があります。
連絡があります。
確認があります。
期限があります。
請求があります。
管理があります。
外国人材の場合には、さらに在留資格や制度に関係する手続きなども存在します。
つまり、
現場の労働力を一人増やすと、その後ろ側の仕事も増える。
これは外国人材の問題というより、組織の構造の問題です。
実際、国の調査にも「事務が大変」と出ている
これは私たちだけの感覚なのか。
調べてみると、そうでもありませんでした。
厚生労働省の2025年外国人雇用実態調査では、外国人を雇用する事業所が外国人雇用に関して感じている課題として、
24.8%が「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」
と回答しています。
約4社に1社です。
一方、外国人を雇用する理由でもっとも多かったのは、
「労働力不足の解消・緩和」68.2%。
ここに興味深い構造があります。
人手不足を解消するために外国人を雇用する。
しかし、
外国人を雇用すると、新しい事務も発生する。
もちろん、それでも外国人材が生み出す労働力の方が大きければ意味があります。
ただ私たちBPO会社から見ると、
「だったら増えた事務まで、貴重な社員が全部やる必要があるのだろうか?」
という次の疑問が出てきます。
ここで私たちが得意な「仕事をバラバラにする」をやってみる
未来来来株式会社では、人手不足の会社を見るとき、
すぐに、
「人を採用しましょう」
とは考えません。
まず、
今、その会社に存在している仕事をバラバラにします。
例えば外国人材に関係する仕事でも、
外国人本人にしかできないこと。
受入企業が判断しなければならないこと。
制度上、専門家や専門機関が扱うべきこと。
社員が行った方がいいこと。
単純な情報整理。
定型的な連絡。
データ入力。
資料整理。
期限管理。
スケジュール調整。
などが混在しているはずです。
ところが会社では、それらが一つの塊になって、
「外国人対応」
という仕事になってしまいます。
ここを分解します。
「免許が必要だから外注できない」は、本当に全部なのか?
外国人材に関係する仕事には、許可や資格、制度上の要件が絡む領域があります。
職業紹介にもルールがあります。
在留資格にもルールがあります。
技能実習にも制度があります。
2027年から始まる育成就労にも新しい制度があります。
だから、
「外国人関係は特殊だから外に出せない」
となりやすい。
でもBPO会社としては、ここでもう一度仕事を分けます。
例えば、専門家が最終的に行う仕事の前に、
情報を集める。
一覧にする。
資料を整理する。
不足しているものを確認する。
期限を管理する。
関係者へ定型連絡をする。
ファイルを所定の場所へ格納する。
といった仕事があるかもしれません。
専門業務の周りには、専門業務ではない仕事がある。
ここが重要です。
私たちは資格者の仕事を奪いたいわけではありません。
むしろ逆です。
資格者にしかできない仕事を、資格者に集中してもらうために、その周辺を誰が担うのか。
これはBPOが考えられる領域です。
外国人材事業者自身も「人手不足産業」になる可能性がある
これは、インドネシア人技能実習生に関わる事業者をクライアントに持ったことで、私たちが特に興味を持ったところです。
日本で外国人労働者が増えていけば、
当然、その人たちを受け入れる企業だけでなく、
外国人材を支える会社の仕事も増えていきます。
外国人材が増える。
受入企業が増える。
案件が増える。
連絡先が増える。
管理する情報が増える。
すると今度は、
人手不足を解決する外国人材業界そのものが、人手不足になる
ということが起こり得ます。
これは少し不思議な話です。
人手不足を解決する会社が、
仕事が増えすぎて、
自社の人手が足りなくなる。
だったら、その会社の社員が本当にやるべき仕事は何なのかを考える必要があります。
外国人材の専門家がExcel整理に追われる必要はない
外国人材の制度を理解している人。
受入企業との関係を作れる人。
外国人本人とコミュニケーションできる人。
制度上必要な判断ができる人。
こうした人材は貴重です。
その人が一日の何時間かを、
データ入力。
ファイル整理。
資料作成。
日程調整。
定型メール。
請求関連。
などに使っているのであれば、非常にもったいない。
これは外国人材業界に限りません。
建設会社でも同じです。
医療でも同じです。
経営者でも同じです。
私たちがBPOをやっていて何度も感じるのは、
「人が足りない会社ほど、貴重な人が誰でもできる仕事をしている」
という矛盾です。
そこで「外国人材+BPO」という考え方になる
ここでようやく、外国人材とBPOがつながります。
外国人材をBPOスタッフとして使おう、という話ではありません。
役割を分けるという話です。
例えば現場仕事なら、
現場でなければできない仕事
→ 日本人・外国人を含めた現場人材
その人たちを支える、
場所を問わないバックオフィス業務
→ BPO
さらに、
定型化できる大量処理
→ AI・システム
そして、
資格・許可・専門判断が必要な仕事
→ 専門家
最後に、
経営判断、営業、重要な人間関係
→ 経営者・中核社員
です。
これなら、
外国人か日本人か。
社員か外注か。
AIか人間か。
という対立で考える必要がありません。
全部を適材適所で組み合わせればいい。
「あと3人欲しい」を、そのまま信じない
私たちが人手不足企業を見るときに、今後もっとやってみたいことがあります。
例えば経営者が、
「あと3人いれば楽になる」
と言ったとします。
その3人に何をしてほしいのか、全部書き出してみる。
仮に、
100時間が現場仕事。
60時間が事務。
20時間が資料作成。
20時間が定型的な入力。
だったとします。
※これは考え方を説明するための仮の数字です。
だったら、
200時間分の人をそのまま採用するのではなく、
現場100時間
→ 人材
事務60時間
→ BPO
資料・入力40時間
→ AI+BPO
という組み合わせが考えられます。
すると、
「3人採用する」という問題が、「100時間分の現場人材をどう確保するか」という問題に変わります。
ここまで仕事を分解してから、人材を探す。
私たちは、この順番の方がこれからの日本には合っているのではないかと考えています。
外国人材を「安い人」として扱う話ではない
ここは誤解されたくないところです。
外国人材を活用するというと、
「日本人より安い労働力を入れる」
という話に聞こえることがあります。
私たちが考えているのは逆です。
人が足りない時代だからこそ、
人間にしかできない仕事に、人間の時間を使う。
という話です。
それは日本人でも外国人でも同じです。
せっかく日本に来て働いてくれる人に、機械でもできる仕事ばかりをさせる必要もありません。
日本人社員が、誰でもできる入力作業に追われる必要もありません。
専門家が、ファイル整理に追われる必要もありません。
経営者が、請求書を作り続ける必要もありません。
人の国籍ではなく、
仕事の性質で分ける。
こちらの方が本質的だと思っています。
2027年から制度が変わる今だから、会社の仕事も見直す
2027年4月から、技能実習制度に代わって育成就労制度が始まります。
制度の目的そのものが、
人手不足分野における人材育成と人材確保へ変わります。
外国人材はこれから、日本企業の労働力を考える上でさらに重要な存在になっていくでしょう。
だからこそ私たちは、
「外国人を何人入れるか」
だけではなく、
「外国人材を含めた会社全体の労働力をどう設計するか」
まで考えた方がいいと思っています。
人手不足の反対は「人が多い」ではない
この記事を書きながら、私たちは一つの結論にたどり着きました。
人手不足の反対は、
人がたくさんいる会社
ではないのかもしれません。
少ない人数でも、
現場でしかできない仕事は現場へ。
専門家にしかできない仕事は専門家へ。
オンラインでできる仕事はBPOへ。
機械でできる仕事はAIへ。
経営者にしかできない仕事は経営者へ。
適切に仕事が配置されている会社。
つまり、
「人が足りている会社」ではなく、「人を無駄遣いしていない会社」。
これから日本で本当に必要になるのは、こちらではないでしょうか。
外国人労働者が増えることも重要です。
BPOが広がることも重要です。
AIが進化することも重要です。
でも、それぞれを別々に考えるのではなく、
外国人材 × 日本人材 × BPO × AI × 専門家
を一つの労働力として設計する。
インドネシア人技能実習生に関わる事業者をバックオフィスから支援する中で、私たちはそんな可能性を感じています。
未来来来株式会社ができること
未来来来株式会社は外国人材紹介会社ではありません。
在留資格等の専門業務を代行する会社でもありません。
私たちが得意としているのは、
「その仕事、本当にあなたがやる必要がありますか?」
と会社の仕事を分解することです。
現在、実際にインドネシア人技能実習生に関わる事業を行う企業のBPOも支援しています。
専門家にしかできない仕事は専門家へ。
社内に残すべき仕事は社内へ。
外部でもできる仕事はBPOへ。
AIで減らせる仕事はAIへ。
外国人材の受け入れ企業だけでなく、外国人材を支援する事業者についても、バックオフィスを整理することで、本来の仕事へ使える時間を増やせる可能性があります。
人を採用する前に、
まず仕事を分けてみる。
そこから私たちは一緒に考えます。
監修:未来来来株式会社 Bpaas Bussen Ops事業部
最終更新:2026年9月27日




