採用する前に、今いる社員の負担を減らす
「事務員を募集しているけれど、なかなか採用できない」
そんなとき、多くの会社が次に考えるのは、
求人媒体を変える。
給与を上げる。
求人原稿を書き直す。
紹介会社を使う。
といった「どう採用するか」ではないでしょうか。
もちろん、それも必要です。
ただ、企業のバックオフィスを支援している未来来来株式会社では、その前にもう一つ考えます。
事務員が採用できるまで、その仕事を誰がやっているのか。
です。
事務員がいなくても、事務仕事はなくならない
採用できないからといって、
請求書がなくなるわけではありません。
安全書類もなくなりません。
グリーンサイトへの入力もあります。
資料整理。
データ入力。
メール。
写真。
見積書。
発注関係。
各種システムへの登録。
電話。
協力会社との事務連絡。
会社によって内容は違いますが、誰かが処理しなければ仕事は残ります。
事務員がいなければ、
その仕事は社内の誰かへ移動します。
現場監督。
営業。
既存の事務員。
経営者。
つまり、
「事務員を1人採用できていない」という問題が、「既存社員みんなの仕事が少しずつ増えている」という問題へ変わっている可能性があります。
採用できないことより怖いのは、今いる人へ負担が集中すること
ここで注意したいのは、
「建設業は他産業より離職率が高い」
と単純には言えないことです。
厚生労働省の2025年上半期の雇用動向調査では、一般労働者の離職率は全産業6.5%に対し、建設業は4.6%でした。
少なくとも、この統計から、
「建設業だから離職率が高い」
とは言えません。
一方で、国土交通省と厚生労働省は2026年9月に公表した建設業の人材確保・育成策で、
若者や女性の入職・定着促進。
処遇改善。
働き方改革。
生産性向上。
を一体で進める必要があるとしています。
つまり国も、
「新しい人を採ること」だけではなく、「入った人・今いる人が働き続けられる環境」を同時に考えている
ということです。
未来来来株式会社は「採用できないなら、まず採用しない方法を考える」
少し変な言い方かもしれません。
事務員が足りないのに、
「採用しない方法を考える」。
でも、BPOという仕事をしている私たちから見ると、非常に重要な考え方です。
例えば、
「事務員が一人辞めたので、一人採用する」
と考えます。
一見すると当然です。
でも、本当に、
その人がやっていた仕事=一人分の仕事
なのでしょうか。
ここを一度疑います。
「人」を補充する前に「仕事」を全部並べてみる
例えば、辞めた事務員がこんな仕事をしていたとします。
請求書作成。
安全書類。
グリーンサイト入力。
電話対応。
写真整理。
見積書の入力。
勤怠集計。
メール。
備品発注。
資料作成。
郵便物。
ホームページ更新。
簡単なチラシ作成。
これを全部まとめて、
「事務員の仕事」
と呼んでいたとします。
だから、
「事務員が辞めた=次の事務員を一人採用する」
となります。
未来来来株式会社では、ここを一度バラバラにします。
同じ「事務仕事」でも、必要な人は違う
例えば仕事を分けてみます。
会社の中で判断しなければならない仕事。
現場を知らなければ判断できない仕事。
専門資格や専門知識が必要な仕事。
決められたルールで処理できる仕事。
オンラインでも処理できる仕事。
AIやシステムで減らせる仕事。
そもそもやめても問題がない仕事。
これらは全部、同じではありません。
そして、
全部を一人の事務員にやってもらう必要もありません。
採用活動中に、現場監督が事務員になっていないか
建設会社で特に避けたいと考えているのが、この状態です。
事務員が足りない。
↓
採用活動を始める。
↓
でも採用できない。
↓
その間、現場監督が事務作業をする。
現場が終わったあとに、
写真を整理する。
安全書類を確認する。
グリーンサイトへ入力する。
資料を作る。
メールを返す。
これでは、
事務員を採用するために、現場監督の時間を事務へ使っている
ことになります。
国も「書類を減らす」「生産性を上げる」方向へ動いている
これは未来来来株式会社だけの考え方ではありません。
国土交通省は、2026年度からの建設現場の働き方改革として、
「書類の削減と簡素化の徹底」
を具体的な取組に挙げています。
また建設業法等の改正でも、
処遇改善。
働き方改革。
生産性向上。
が大きな柱になっています。
つまり人手不足への対応は、
人を増やすことだけではありません。
一人当たりが抱えている仕事を減らすことも、人材確保策の一部です。
まず、今いる社員から「その人でなくてもできる仕事」を外す
事務員が採れないとき、
未来来来株式会社ならまずここを見ます。
例えば現場監督が、
1日30分のデータ入力。
30分の書類整理。
30分のメール・連絡。
30分の資料作成。
をしていたとします。
ここでは、あえて「実際に2時間削減できます」とは言いません。
会社によって業務内容が違うからです。
大事なのは、
その2時間の中に、本当に現場監督でなければできない仕事が何分あるのか
を見ることです。
ゼロかもしれません。
半分かもしれません。
ほとんど本人でなければできないかもしれません。
だから、調べます。
BPOは「人を貸す」のではなく「仕事を切り出す」
ここが、人材派遣や採用とは少し違うところです。
「事務員が一人足りません」
という相談に対して、
「では一人入れましょう」
ではなく、
「何の仕事が足りていないのですか?」
から始めます。
例えば、
安全書類の情報入力。
グリーンサイト登録。
定型資料の作成。
写真・データ整理。
請求書作成。
メール一次対応。
スケジュール入力。
定型的な連絡。
などです。
このうち、
外部で処理できるものだけを切り出す。
すると、
「事務員一人が必要」
だと思っていた会社が、
実際には、
社内でしかできない仕事はそれほど多くなかった
という可能性もあります。
AIも同じ。「人を採る前に減らせる仕事」を探す
現在はさらに、
AIやシステムという選択肢があります。
文章のたたき台。
定型メール。
データ整理。
文字起こし。
資料の下書き。
情報の分類。
こうしたものは、以前より機械で処理できる範囲が広がっています。
ただし、
何でもAIへ入れればいいわけではありません。
個人情報。
機密情報。
誤りが許されない情報。
専門的判断。
こうしたものは、利用するツールや運用ルールを決める必要があります。
だから、
人かAIか
ではありません。
人にしかできない仕事。
AIで減らせる仕事。
BPOへ出せる仕事。
社内に残す仕事。
に分けます。
採用できない期間を「耐える期間」にしない
私たちが一番変えたいのはここです。
求人を出す。
応募を待つ。
面接する。
辞退される。
また募集する。
この期間、
既存社員が、
「採用できるまで頑張る」
状態になっていないでしょうか。
採用まで1か月なら耐えられるかもしれません。
でも3か月。
半年。
それ以上。
いつ採れるか分からない状態で、
既存社員に負荷を載せ続ける。
これは、
採用問題とは別に考えた方がいいと思います。
採用活動は採用活動として続けながら、現在発生している仕事は現在減らす。
この二つは同時にできます。
「新しく採る」より「今いる人を守る」を先にする
ここで、この記事の一番伝えたいことです。
事務員が採用できない。
だから採用を強化する。
もちろん必要です。
でも、
今いる社員が疲弊してから、新しい社員が入ってきても遅い。
採用できない間に、
現場監督へ仕事が移る。
営業へ移る。
経営者へ移る。
既存事務員へ移る。
そして、
誰かがさらに辞める。
そうなれば、
一人採用したかった会社が、
二人採用しなければならなくなります。
だから、
採用できないときほど、今いる人の仕事を減らす。
これは採用とは別の人手不足対策です。
未来来来株式会社が「離職防止」を簡単には約束しない理由
ここも明確にしておきます。
BPOを導入したから、
離職率が何%下がる。
社員が辞めなくなる。
とは、未来来来株式会社では言いません。
離職には、
給与。
人間関係。
仕事内容。
評価。
キャリア。
勤務時間。
家庭事情。
会社文化。
さまざまな要因があります。
事務負担を減らしただけで、すべて解決するわけではありません。
ただ、
「本来の仕事以外まで抱え続けている」状態を放置しない
ことはできます。
私たちがBPOとしてできるのは、そこです。
一人採用する前に、一週間だけ仕事を記録してみる
もし現在、
「事務員が採れない」
という状況なら、一つ試してほしいことがあります。
一週間だけ、
誰が、何の事務仕事を、何分やっているのか
を書いてみてください。
現場監督。
営業。
社長。
既存事務員。
それぞれです。
そして、一つずつ分類します。
A:本人でなければできない
B:社内の誰かならできる
C:ルール化すれば外部でもできる
D:AI・システムで減らせる
E:そもそもやめられる
ここまでやると、
「事務員を一人採用する」
という問題が、
もっと具体的な問題に変わります。
それでも一人必要なら、そこで採用する
業務を整理した結果、
やはり一人必要だった。
それなら採用すればいいと思います。
むしろ、
仕事内容が整理されているので、
「何でもやってくれる事務員募集」
より、
任せる仕事を明確にできます。
入社後の引継ぎもしやすくなります。
反対に、
一人分も仕事が残らなかったなら、
無理に一人採用する必要はないかもしれません。
採用するかどうかを決めるためにも、先に仕事を整理する。
これが私たちの考え方です。
人手不足対策は「入口」だけではない
人手不足というと、
求人。
採用。
外国人材。
紹介会社。
といった、
人を会社へ入れる方法
に目が向きます。
でも会社には、もう一つ入口があります。
仕事を会社の外へ出す。
そして、
仕事そのものを減らす。
この二つです。
人を入れる。
仕事を出す。
仕事をなくす。
この三つを同時に考える。
採用できない会社ほど、今いる人の時間を大切にする
建設業では、これからも人材確保が重要な経営課題になります。
国土交通省・厚生労働省によると、建設技能者の約4分の1が60歳以上である一方、29歳以下は約12%です。
だからこそ、
「もっと採用しよう」
だけではなく、
今いる人が本来の仕事を続けられる会社にする
という発想が必要だと私たちは考えています。
現場監督には現場監督の仕事を。
営業には営業の仕事を。
経営者には経営者の仕事を。
そして、
その人でなくてもできる仕事は、
社内の別の人へ押し付けるのではなく、
BPOやAI、システムも含めて処理方法を考える。
事務員が採用できない。
そのとき最初に守るべきなのは、
まだ採用できていない一人ではなく、
今、会社にいてくれている人たちかもしれません。
未来来来株式会社の建設業BPOについて
未来来来株式会社では、
「事務員一人分をそのまま外注する」
という考え方ではなく、
現在社内で発生している仕事を整理し、
社内に残す仕事
専門的判断が必要な仕事
BPOへ切り出せる仕事
AI・システムで減らせる仕事
やめられる仕事
へ分けるところから考えます。
目的は、単純に事務作業を安く処理することではありません。
現場監督、営業、経営者、既存スタッフが、
本来その人にしかできない仕事へ戻れる状態をつくること。
採用活動を続けながらでも、現在の業務負担を整理することはできます。
「事務員を採用できないので困っている」
という段階からご相談いただけます。
監修:未来来来株式会社 Bpaas Bussen Ops事業部
最終更新:2026年10月4日



